小説
オカリナを吹く少年
オカリナを吹く少年
寺崎 ちえこ
少年のナイーブな感性をやさしく包み込んだ待望のファンタジーロマン!!
しんの後に続いて、樫の木から夜空に向かって両手を伸ばすと、瞬間的にフッと体が宙に浮いた。しんの吹くオカリナの、風に乗った爽快なメロディーが、ぼくを広大な空の旅へと誘う。翼をイメージして両手を広げると、まるで鳥になった気分で夜空に舞い上がった……。
病気で亡くなった双子の妹に会うために、ぼくはオカリナを吹く不思議な少年と夜空へ旅立った……。
年を重ねていくごとに、何気なく過ごしていく日々が、実はすごく貴重なことなのだと気づかされる瞬間がたくさんあります。そんな思いが強くなったのはここ数年のことです。
私が福祉の仕事に携わり、多くの方たちとの出会いや別れがあったからでしょうか。心や身体に障害を持った方たちとの出会いは、正直私にとって衝撃的なものでした。内心とても気の毒にも思いました。しかし徐々に触れ合っていくうちに、本当にかわいそうなのは、彼らをそんなふうにとらえていた自分自身だということに気づきました。
私がそうした優しい方たちを見送ったとき、その究極の寂しさとともに、また心はこの上ない感謝の気持ちでいっぱいになりました。そしてその感謝の気持ちにどう答えたらいいのか自問自答を繰り返しながら、気がつくといつの間にかノートに向かい、ペンを走らせていました。そして、出来上がったのがこの作品なのです。(「あとがき」より)
日本文学館出版大賞特別賞・コスモス文学賞奨励賞授賞作
四六判/上製/112頁/定価1050円(本体1000円+税)
ISBN 978-4-88748-237-1
2011年5月10日 第1刷発行
水代官 山口鉄五郎
水代官 山口鉄五郎
那須 一郎
那須疏水のできる百年前に、那須の地に水を引き、農民の自立を促した代官がいた。
今から二百年前、越後からひとりの男が江戸に上った。利根川の河川改修や新田開発、蝦夷地調査、木曽三川の改修に携わり、やがて那須の代官となる。「無軽民事」の刻印を使い、四民(士農工商)は同等であるという強い信念を持っていた。水とともに歩んだ男の心に流れるものは、果たして何であったのか。名代官として語り継がれる男の生涯に迫る、待望の長編歴史小説。
水とともに生き、新田開発を通して地域振興にかけた男の、波乱万丈の生涯を描く!!
A5判/並製/264頁/定価1890円(本体1800円+税)
ISBN978-4-88748-230-2
2010年12月1日発行
思川恋歌
思川恋歌
水樹 涼子
人は生涯に一度は必ず”運命の出会い”をする。そのさだめに呑み込まれた男女の、貫かれた切なく一途な思い–日常から数センチ浮揚したような 透明な世界に、現実離れした無垢で清浄な登場人物たちがリアルに動き出す。著者の生まれ育った栃木県北西部・思川源流域の豊かな自然と文化遺産を背景に展 開される五つの物語。出会いと別れの儚さ、哀しみ、そして愛しさを、豊饒な自然の輝きの中から紡ぎ出した連作短編小説集。
四六判/上製/184頁/定価1,575円(本体1,500円+税)
ISBN 978-4-88748-225-8
2010年9月20日発行
【講演会開催】
NHK文化センター宇都宮主催 特別講演
水樹涼子 著者朗読とトーク
◎日時 2011年1月15日(土)10時30分~12時30分
◎場所 うつのみや表参道スクエア3F
◎料金 会員1,575円/一般2,100円/学生1,575円
日本ペンクラブ会員・栃木県文芸家協会会員 水樹涼子
ピアノ伴奏 保沢麻里子
二度と出会うはずのない二人が、出会ってしまったその場所は…!? 儚くも残酷な“宿命の恋”を描いた「天上の時間」(『思川恋歌』所収)。作家自身による入魂の朗読が、美しいピアノの調べと共に、胸に迫ります。演奏曲:ラベェル「亡き王女のためのバヴァーヌ」。朗読終了後、創作秘話・創作講座についてのトークもあります。
【連絡先】事前申し込み、または当日会場へ直接どうぞ
NHK文化センター宇都宮/0120-25-3748/TEL 028-600-1311
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