立松和平 疾走する文学精神
『立松和平 疾走する文学精神』

黒古一夫

拡がる異郷と歴史の闇を旅する作家・立松和平の初期作品群から、「恩寵の谷」「毒-風聞田中正造」まで、混迷する現代社会と鋭く対峙する立松文学を徹底分析。1991年刊「立松和平 疾走する境界」の増補版。
(四六判/260頁/定価 本体2000円+税)
 ISBN 4-88748-002-4
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目次


1章 〈境界〉に誘われて-『遠雷』5部作の意味 7

 (1)〈境界〉の生と共同体の解体-『遠雷』 8
 (2)漂流する家族-『春雷』 26
 (3)解体から滅亡へ-『性的黙示録』 38
 (4)テクノロジーの嘲弄と砂漠化する都市-『雷獣』『百雷』 51

2章 青春の出発と蹉趺-旅・革命・恋愛・青春の挽歌 65

 (1)彷徨する精神-『途方にくれて』『ブリキの北回帰線』他 66
 (2)「革命」と「恋」-『光匂い満ちてよ』『蜜月』他 84
 (3)愚行の時-『自転車』『背中からきた息』他 104

3章 〈日常〉の陥穽に抗して-「生活」のフラグメント 119


4章 始源への遡行-歴史と生の根源へ 141

 (1)〈歴史〉に自己を重ねて-『歓喜の市』『ふたつの太陽』 142
 (2)回想の「自己」-『原っぱ』『幼年記』他 156
 (3)〈性〉の乱舞-『快楽の一滴』他 169

5章 都市生活の「神話」-現在を生きる 183


6章 〈周縁〉に向かって-行動する作家 207

 (1)〈根の国〉沖縄-『太陽の王』『うんたまぎるー』他 208
 (2)疾走する精神 223

7章 〈原点〉への遡向・「足尾」から始まる

     -『恩寵の谷』と『毒-風聞田中正造』をめぐって 237

 増補版へのあとがき 257