京都、リヨン、そして足利-近代絹織物と近藤徳太郎

京都、リヨン、そして足利-近代絹織物と近藤徳太郎

日下部高明

明治28年、足利産地の織物関係者のすべての人々の驚愕と歓喜の中に、栃木県工業学校初代校長として迎えられた近藤徳太郎。大正から昭和にかけて隆盛を極めた「足利本銘仙」の誕生と近代工業教育の発展に生涯を捧げた彼の足跡を描く。

(四六判/152頁/定価 本体1500円+税)
ISBN 4-88748-057-1

cartへ

著者紹介

日下部高明

1937年東京生まれ。1959年東京教育大学卒業。国家公務員を経て、1962年栃木県教員となる。1990年栃木県教育研修センターを経て、1991年足利南高校長、1994年栃木女子高校長。栃木女子高を最後に教壇を下りる。1997年足利工業大学事務局課長に就き、現在に至る。日本地理学会、産業考古学会、古代都市条里制研究会所属。


目 次

 序にかえて 3

1 驚愕と歓喜の中に 9

2 「足利織」の成立とその終焉
 江戸時代中期に成立した足利の織物産業 14
 生き残るため、「尊王」に藩論を変えた足利藩 19
 明治維新後の「足利織」の発展と終焉 24

3 近代足利織物と市民社会の成立
 松方デフレの不況から立直るために 32
 改善事業を進めた内圧と外圧 36
 近代足利織物と近代市民社会 42
4 京都府フランス留学生近藤徳太郎
 近藤を育てた京都 44
 京都府勧業留学生になる 48
 近藤、リヨンで絹織物を学ぶ 52
 画期的な京都織物会社創設に腐心 59
 川島織物にわらじを脱いだ近藤 62
5 栃木県工業学校長近藤徳太郎
 近代的工業学校づくりの夢 68
 栃木県工業学校を育てる 70
 近代足利織物への近藤の役割 80
 近藤三度目の渡欧、コモを知る 88
6 二十世紀の絹織物の方向│絹紡糸織物
 「絹紡績絲」、いわゆる絹紡、絹紡糸 98
 栃木県工業学校の改革 104
 絹紡糸と「スパンクレープ」開発 106
7 「日本を制覇」した足利の銘仙織物
 「足利本銘仙」と絹紡糸 118
 柞蚕糸と「足利本銘仙」 124
8 京都、リヨン、そして足利 131

 あとがき 142

 (近藤徳太郎年譜)