公害の原点を後世に
『公害の原点を後世に』(入門・足尾鉱毒事件)

 広瀬武

「足尾に緑を、渡良瀬に清流を」。現代に続く足尾鉱毒事件の全体と、田中正造の思想を学ぶための入門書
(四六判/208頁/定価 本体1500円+税)
 ISBN 4-88748-067-9

著者紹介 広瀬武(ひろせ たけし)

1929年、群馬県館林に生まれる。
拓殖大学卒業。
1954年から34年間、館林市内の中学校で社会科教師を歴任。現在、足尾鉱毒事件・田中正造記念館建設促進会事務局長、渡良瀬川にサケを放す会代表、日中友好協会館林支部長を務める。
著書に『渡良瀬川の水運』(随想舎)、また『田中正造と足尾鉱毒事件研究1~12』に論文多数掲載。
目次
 1 むかしの渡良瀬川  7
   めぐみの渡良瀬川/公害の原点・足尾/渡良瀬川の由来

 2 河道の変遷  30
   草木ダムの役割/高津戸峡と大間々扇状地/足利付近の新旧二つの河道/
   足尾鉱毒事件で河道の変更/利根川東遷と渡良瀬川の支流化

 3 足尾鉱毒事件のはじまり  42
   鮎の大量死/未曾有の大洪水で、鉱毒被害は農作物へ/被害民の鉱毒反対の動き/
   江戸時代の足尾銅山/足尾銅山の急激な発展

 4 田中正造の議会活動  54
   田中正造の生い立ち/田中代議士の誕生/鉱毒事件についての最初の質問/政府の答弁書/
   正造、第二回総選挙で再選される/鉱毒問題について再び質問

 5 明治政府と銅山側の対応  66
   銅山擁護の明治政府/請願運動の組織化/示談契約の動き/示談契約の内容と問題点

 6 被害民、鉱業停止を求めて再び立ち上がる  77
   鉱毒被害の拡大・激化/雲龍寺に請願事務所を設置/自由民権以来の同志/たたかいの組織固め

 7 「押出し」という独特なたたかい  94
   大挙東京押出し/世論喚起の鉱毒大演説会/第二回押出し/
   鉱毒調査会と鉱毒予防工事/免租処分と町村自治の破壊

 8 歴史的な川俣事件  108
   正造の保木間の誓い/被害民と隈板内閣/非命の死者と仇討ち請願の準備/川俣事件

 9 田中正造の直訴と第二次鉱毒調査会  128
   田中正造の直訴/被害民の支援活動/第二次鉱毒調査会/正造の議員辞職

 10 渡良瀬遊水地と谷中村問題  141
   遊水池計画案の浮上/廃村計画に対する反対運動/谷中村廃村と移住先/
   渡良瀬川河川改修工事/田中正造の死と分骨地/
   渡良瀬遊水地は治水目的からレジャー目的へ/谷中村の遺跡を訪ねる

 11 鉱毒事件は終わっていない  159
   増産が続く足尾銅山/源五郎沢堆積場の決壊と鉱毒問題の再燃/
   渡良瀬川鉱毒根絶毛里田期成同盟会のたたかい/水質審議会の欺瞞/
   補償協定成立と足尾銅山の閉山/足尾煙害地の復旧事業

 12 公害の原点を後世に伝えたい  177
   公害の原点といわれる足尾鉱毒事件/歴史を学ぶ意義/渡良瀬川研究会/
   渡良瀬川に清流を求めて/足尾の植林ボランティア/記念館を、ぜひ造りたい

   主な参考文献  200
   あとがき  202