随想舎 

林小太郎

日本の労働運動の先駆け「足尾暴動」の指導者

大森 良治

「林小太郎氏は元坑夫なりしが社会主義運動に熱心なるためついに解雇され、専ら平民新聞の配達を力めたりに今回拘引の身となりしものにて、後には二人の子供と臨月に迫れる細君とあり」(平民新聞・明治40年2月12日)。私の先祖の中に、こういう人がいようとは思いもおよばないことであった。こうして私のルーツ探訪が始まった。

四六判/216頁/定価1980円(本体1800円+税)
ISBN 4-88748-079-2

cartへ

著者プロフィール

大森 良治

1925年 東京都豊島区に生まれる
1944年 東京第二(豊島)師範卒業
1949年 東京大学文学部国史学科卒業
 以後ながく杉並区で社会科教師をつとめる
〈編 著〉
 『大森富子 その生と死』
 『生き残ったものの記録』
 『老いて なお 少女のごとく』
 『わたしと おわらの里』

目 次

第一章 林小太郎の生い立ちを求めて

 1 越中八尾
 2 二村一夫著『足尾暴動の史的分析』
 3 船津・茂住

第二章 足尾暴動の概略

 1 足尾暴動の前提
 2 大日本労働至誠会(足尾支部)
 3 林小太郎の声
 4 運動の発展と「暴動」の勃発

第三章 足尾のその後と永岡鶴蔵・林小太郎たちの最後

 1 足尾暴動の歴史的意義
 2 出獄後の永岡鶴蔵・林小太郎たちの生活
 3 足尾を訪ねて

 付
 永岡鶴蔵と片山潜
 永岡鶴蔵
 片山潜