随想舎 

宇都宮大空襲

一少女の記録

小板橋 武[絵・文]

 戦火の中を逃げた12歳の少女の空襲体験記!! 「私は窓を見てびっくりしました。真夜中なのに、昼間のように明るくなっていたからです。アメリカの飛行機がたくさん飛んでいて、焼夷弾を落としていました。まわりの家は、みんな火事になっていたのです……」。今日の平和は、名もない市民の尊い犠牲の上にある。

B5横判/上製/36頁/定価1047円(本体952円+税)
ISBN 978-4-88748-157-2

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著者プロフィール

小板橋 武  (こいたばし たけし)

1936年、神奈川県に生まれる。
1997年、小学校教員退職。
2006年、およそ10年をかけて全国の文化財を訪ね歩き、『これだけは見ておきたい各県一か所の旅』を出版。
現在、下野民話の会会員。宇都宮市内の小学校・老人ホームなどで民話語り部として活躍中。

宇都宮大空襲扉

ご案内

 この絵本は、宇都宮市在住の小林新子さんの空襲体験記をもとにして作られたものです。
 当時、小林さんは中学1年生で、小林さんの家は、JR宇都宮駅のそばで材木屋をしていました。宇都宮空襲のあった昭和20年7月12日夜、小林さんたちは防空壕から寺へ、さらに水田へと、炎の中を逃げ回り、九死に一生を得たのでした。
 この日、115機のB29は宇都宮を空襲し、3時間にわたる爆撃を繰り返しました。この空襲で家を失った人は47,976人、焼失戸数9,173戸、死者620人(児童73人)以上、重軽傷者は1,128人にのぼり、宇都宮市は市街地のじつに50%を焼失したのでした。
 著者の小板橋武氏は、長年、教職に就かれていましたが、この小林さんの体験記に深く感動し、絵本をつくることを決意したのでした。
 宇都宮空襲から62年が過ぎ、当時を経験した人たちは少なくなり、しだいに忘れられようとしています。しかし、今日の平和が、名もない市民の尊い犠牲の上にあることを忘れてはなりません。この絵本が、戦争を考える材料になれば幸いです。

 本書は2007年7月1日に発行、栃木県をはじめ全国書店で発売中です。
 どうぞ、よろしくお願い申し上げます。