随想舎 

大王とみやまの植物

竹末 広美

 日光を舞台にしたもうひとつの世界がひろがる。
 小野蘭山が詳細な採薬記を残し、岩崎灌園は色鮮やかな植物画を描いた。植村左平次が指導した人参は、人々を救い、日光山麓の農民の生活を潤した。
 近世日光を訪れた本草家や植物学者の足跡をたどり、日光の植物に魅了された人々を紹介する。

四六判/上製/200頁/定価2200円(本体2000円+税)
ISBN 978-4-88748-249-4
2012年1月30日 第1刷発行

cartへ

著者プロフィール

竹末 広美   たけすえ ひろみ

1953年、栃木県に生まれる。
学習院大学法学部卒業。現在、矢板東高校教諭。
『藤原町史』・『いまいち市史』・『鹿沼市史』の各編さん委員を務める。栃木県歴史文化研究会会員。
著書に『下野じまん─番付にみる近世文化事情』『日光の司法─御仕置と公事宿』『日光の狂歌─二荒風体を詠む』『下野の俳諧─風雅の人ここにあり』(随想舎)、論文に「日光宿の研究」(『歴史と文化』創刊号)などがある。
第1回ふるさととちぎ歴史文化研究奨励賞受賞。

目 次

Ⅰ章 本草学の発達と採薬人
 1 本草学の発達
 2 主な採薬人

Ⅱ章 採薬と人参栽培
 1 採薬の実態
 2 朝鮮種人参の栽培

Ⅲ章 植物とくらし

Ⅳ章 植物を描いた人々
 1 岩崎灌園と『日光山草木之図』
 2 岩崎灌園と『本草図譜』
 3 作者不明『日光菌譜』
 4 植田孟縉と『日光山志』
 5 五百城文哉と『日本山草図譜』

Ⅴ章 明治の来訪者
 1 矢田部良吉
 2 牧野富太郎
 3 南方熊楠
 4 松村任三
 5 アーネスト・サトウ
 6 武田久吉
 7 城数馬

Ⅵ章 植物余話