随想舎 

ずいそうしゃブックレット18

緑の足尾をめざして

足尾の砂防事業と緑化活動

鶴巻 和芳/発行 足尾に緑を育てる会

 足尾に緑を育てる会20周年記念出版
 足尾砂防出張所長として2000年に足尾に赴任された著者は、育てる会と協力して緑化活動に取り組み、官民協働の緑化方式を生み出すとともに、いまや年間150団体を超す体験植樹サポート事業の基礎を確立された。本書は、ボランティアとの活動の経緯とその意義を詳述するとともに、足尾の砂防事業の歴史を振り返る好著。2014年の足尾グリーンフォーラムの講演をもとに、多くの写真や図版を掲載したおすすめの一冊。

A5判/並製/76頁/定価1100円(本体1000円+税)
ISBN 978-4-88748-303-3
2015年10月30日 第1刷発行

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著者プロフィール

鶴巻 和芳  (つるまき かずよし)

 現在 : 国土交通省関東地方整備局渡良瀬川河川事務所副所長

 新潟県加茂市出身、群馬県渋川市在住。
 1978年、建設省(現国土交通省)利根川水系砂防工事事務所に採用。
 その後、砂防関係の事務所及び関東地方建設局河川部にて砂防事業を担当。
 2000年4月から2004年3月までの4年間、渡良瀬川河川事務所足尾砂防出張所長として足尾に赴任。砂防事業の推進とともに、官民協働による緑化活動に力を注ぐ。
 その後、利根川水系砂防事務所に人事異動となり、関東地方整備局河川部及び企画部において課長補佐を歴任し、2014年4月より現職。

目 次

 第一章 土砂災害と砂防事業

  長い歴史のある砂防事業/土砂災害をいかに防ぐか/さまざまな砂防堰堤/砂防事業と治山事業の違い

 第二章 緑を失った足尾の山

  荒廃地になった原因/足尾銅山と公害/煙害荒廃地の拡大/足尾銅山と煙害/足尾の山の荒廃による影響/
  カスリーン台風による被害

 第三章 足尾の砂防事業

  足尾の砂防事業の歴史/足尾砂防堰堤/松木川上流の砂防堰堤群/砂防堰堤の機能/山腹工の効果/
  山腹工の施工

 第四章 官民連携の緑化活動

  足尾に緑を育てる会の活動/評価される緑化活動/官民協働事業の確立/育てる会の主な活動/
  体験植樹参加校の推移/体験植樹に紙芝居を導入/「足尾砂防通信」の発行/苗木の選定と植樹方法/
  シカの食害対策/公共事業による山腹工/緑化の進捗状況/緑化活動の課題

 第五章 緑化活動の将来への展望

  官民協働の先駆け/緑の森になった大畑沢緑の砂防ゾーン/官民協働の今後の展望