広報誌 作り方から配布まで

取材・編集・制作の方法

※編集作業の3つの基本(材料をどう集めて、どう選んで、どう並べるか)=3つの基本は『広報・雑誌づくりのらくらく編集術 西村良平 日本エディタースクール出版部』より抜粋

(1)集める 原稿や写真、イラストなど紙面に掲載する「材料」を集める作業。原稿を依頼したり、自分で取材に行って、写真を撮ったり記事を書いたりすること。

(2)選ぶ 集めた材料の中から掲載するものだけを選び、整理する作業。文章の間違いをチェックし、より正確で適切な表現にすること。

(3)並べる 材料を並べて紙面を割付用紙にレイアウトしていく作業。文章や写真などを紙面のどこに置くかを決めること。文章の書体や文字の大きさの指定などデザイン的な要素も含まれる。

1 取材と原稿の書き方

(1)紙面構成案を基本に取材、撮影、原稿依頼、執筆を行なう。この場合、編集会議で作った1面1面のラフレイアウトにそって作業を行なう。紙面に入る文字数は限られているので、たくさん原稿を書いても入りきらない場合がある。その場合、文字の大きさを小さくしたり、行間を詰めて押し込むことはデザイン上も好ましくない。

(2)原稿を依頼する場合、テーマ、主旨、文字数、締め切り日を明確に伝えること。手書きで原稿を書く人の場合は、フォーマットに合わせた原稿用紙を渡すこと。

(3)取材をする場合は、必ず対象のアポを取っておくこと。また、必要に応じて質問項目を作成し、事前に渡しておくと取材がスムーズにいく。取材した内容は、ラフレイアウトにあわせて文章にまとめる。その場合、「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「どのように」という文章構成の基本を念頭におき、簡潔にまとめることが重要。文章の中の無駄を極力省くこと。メモをとるだけでは不安な場合は、テープに録音しておくと安心。また、原稿を書く場合、共同通信社発行の『記者ハンドブック新聞用字用語集』は非常に参考になる。

(4)取材した内容は、必要に応じて取材先に校正段階でチェックしてもらうこと。自分で正しいと思っていても勘違いがあるし、取材の時点から状況が変わっていることもある。

(5)担当者からあがってきた原稿は、必ず別の人間(できれば校正の担当者)が内容をチェックする。そして、疑問があれば担当者に確認し、原稿内容の精度を高めること。また、あわせて文字数、誤字、脱字、文章表現(差別的表現・不快用語)などをチェックする。文字数が多ければ整理し、少なければ加筆する。特に大見出しは重要である。本文の内容をズバリ表現する見出しは、読者の「読もう 読みたい」という意識を高揚させる。新聞社でいう記者→編集デスク→校閲→整理の仕組みを取り入れるとよい。

(6)人物写真を使う場合、公的な職務風景を除いて肖像権が発生するためスナップであっても掲載許可をとること。複数が遠くから映っている場合(運動会や講演会、一般の風景写真)はその限りではない。また、文献資料を引用するときも、その出典を明らかにしておくこと。引用と転載とでは、著作権の扱いが相当違ってくる。

(7)原稿ができたら紙面のレイアウト(ラフレイアウトを基本にして、具体的な割付を行なう)を作る。レイアウトは、割付用紙上で行なう。この場合のレイアウトは限りなく仕上がりに近いものを作る。大見出し、リード(本文の要約)、小見出し、本文、写真、キャプション(写真説明)、イラスト、図表など紙面を構成する材料をいかに見やすく配置することができるかで、紙面の印象は大きく変わっていく。

 ※レイアウトの進め方
 (1)原稿や写真、図版の内容を確認する。
 (2)本文の行数を計算する。
 (3)見出しや写真、図版の分量をおおよそ確認する。
 (4)割付用紙を使ってレイアウトする。
    文章、見出し、写真、図版の位置を書き入れる。

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