随想舎 

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ずいそうしゃ新書10

栃木弁ばんざい

森下 喜一

 NHK宇都宮放送局から15回にわたり放送。栃木弁の特徴をはじめ、語彙・語法・アクセント・音声などの概要、生活に結び付く特徴的な方言の意味・用法・語源等をわかりやすく解説。平成14年度NHK地域放送文化賞受賞!!

新書判/128頁/定価1100円(本体1000円+税)
ISBN 4-88748-088-1

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著者プロフィール

森下喜一  もりしたきいち

1934年(昭和9年)、栃木県安蘇郡葛生町生まれ。
1958年、國學院大学文学部卒業。1963年、同大学大学院終了。
元作新学院大学教授、同鳥取大学教育地域科学部教授、同大学大学院教授。
著書に『栃木県方言辞典』(桜楓社)、『栃木県方言語源辞典』(落合書店)など多数。
2003年、本書のもとになった「栃木弁ばんざい」でNHK地域放送文化賞受賞。

目 次

古語が方言に生き残っている

 アッタラモンは古語で「惜しむべきもの」の意

アクセントで意味を区別することはできない

 イとエを区別して話すことはむずかしい
 足利だけは東京式アクセント
 コラム1 アクセントでわかる出身地
  アクセントは必要なものか

栃木弁の多くは、かつて群馬県からはいってきた

 無アクセントは圧倒的な勢いをもっていた
 尻上がり調は栃木弁の特徴

栃木弁ははぎれがいい

 接頭語が並外れて豊かである
 栃木弁は荒っぽいともいわれている

敬語が発達しなかった

 身分的上下関係のないところには敬語が発達しない
 「ヤンス」「ガンス」だけは昔からあった敬語
 コラム2 ていねいの意の接頭語「お」は付けなかった
  ことばに男女差がなかった

難なくこなすまぎらわしいことば

 濡れることは「腐る」ことに通じる
 コラム3 クローネは苦労がないこと?
  長持ちして経済的効果があるときにはムソイという

同音異義語が多い

 破損することは修繕することだった
 ベーベーことばとダンベーことばが多い
 コラム4 助詞はことばのニュアンスを変える

自然の中に生きる動物の方言

 形から生まれた名前が多い
 蹴ったり掘ったりするのは蟻地獄の習性
 コラム5 動物の方言は動作や鳴き声から作られたものが多い

生活している姿をよく表している方言

 仕事・就寝・食事を楽しんだ
 昼寝は農家の人にとって欠くことができなかった
 食事の準備も食器洗いも女性の仕事だった

秋の収穫と植物の方言

 収穫に関する方言には、その土地独特のものが多い
 葬式のときにたたく鉦の音が「葬式」の意になった

作物と昆虫の方言

 芋類の方言は豊かだった
 こおろぎの方言は、姿や鳴き声の特徴が表れている
 コラム6 大根にまつわる方言

冬の食べ物と挨拶ことば

 シモツカレは貧しさに耐えるための知恵から生まれた?
 身体に入り込むような寒さは「シミル」といった
 コラム7 日の当たらない場所の呼び方
  ミミダレグサは形から出た呼び名

冬に見られる雪と風と氷の方言

 「雪」を「リキ」と発音するのは全国的にもめずらしい
 霜柱は氷の柱が立っているように見えた 
 コラム8 冬の食べ物とたきぎ

春の植物

 音が方言になった
 自然の中にもこんなに楽しい遊びがあった

春の動植物

 蛙と車前草は切ってもきれないわけがある
 サエズルとグゼルは鳴き方がちがう
 コラム9 虎杖の方言