随想舎 
渡良瀬川の水運

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渡良瀬川の水運

広瀬 武

「足尾に緑を、渡良瀬に清流を」――渡良瀬川畔に育った著者が、「利根川の東遷」「河岸の盛衰」など水運の歴史を辿る中から、「田中正造と足尾鉱毒事件」を契機に清流への想いを馳せる。

新書判/136頁/ 定価 1,100円(本体 1,000円+税)


目 次

1 水運の始まり  7  都への物資輸送  関東の丸木舟  万葉時代の渡良瀬川(太日河)  利根と渡良瀬を結ぶ合ノ川  中世(鎌倉・室町時代)の舟運  戦国武将の軍用船 2 水運の発展  20  全国的な水運の発展  陸運に対する水運の有利性  水運の短所  渡良瀬川の支流化  利根川東遷  利根川水運の発展  渡良瀬川の水路整備と河岸の開設  廻米津出河岸  江戸への船路 3 河岸の分布・規模・河岸問題  44  河岸の分布  河岸の規模  新河岸の出現と河岸間の対立  河原改め 4 船頭・川船・荷物  57  船頭は河岸場の顔役  船んちの話  渡良瀬川水運の船持船頭  川船(高瀬船)  船大工  下り荷と上り荷  下野石灰と田中正造  田山花袋の川下り  蒸気船の就航 5 足尾鉱毒事件と渡良瀬川の水運  82  早川田河岸は交通の要所  キカイセン  回漕問屋のオイチ  雲龍寺と早川田河岸  足尾鉱毒事件と通運丸 6 水運の消滅  97  鉄道の開通とその影響  河川改修と水運の消滅  田中正造の治水論  田中正造のノートから 7 関東平野舟の旅「川下り」  106  郷土の歴史を学ぶ公民館活動  実行委員会の周到な準備  昔の川と今の川 8 足尾に緑を、渡良瀬に清流を  122  恵みの渡良瀬川  河川浄化の市民運動  「サケを放す会」の発足  サケが戻ってきた あとがき  132