
栃木ゆかりの歴史群像
日本史上の人物と地域との関わり
松本 一夫
日本の歴史を動かした人物たちは、じつに栃木と関係が深かった。古代から現代まで栃木ゆかりの人物31人の足跡に刻まれたふるさとの歴史再発見。
本県出身のあまり有名ではない人物をとりあげるのではなく、むしろ教科書に載っている著名な人物(ほとんどが県外出身)と栃木(下野)との意外な関わりを紹介することによって、歴史そのものをより実感をもって理解させることができるのと同時に、栃木(下野)という地域のもつ歴史的特質も、児童・生徒たちにかえって鮮やかに認識させることができるのではないかと考えました。そして、こうした切り口は、もちろん一般の方々にとっても興味深いものではないかと思われます。
四六判/並製/256頁/定価1980円(本体1800円+税)
ISBN 978-4-88748-276-0
2013年8月6日 第1刷発行
著者プロフィール
松本 一夫 まつもと かずお
1959年 栃木県宇都宮市生まれ
1982年 慶應義塾大学文学部卒業 栃木県公立学校教員
1997年 國學院大學栃木短期大学非常勤講師(~2004年)
2001年 史学博士
2003年 宇都宮大学教育学部非常勤講師
2004年 栃木県立文書館勤務(~2011年)
現 在 栃木県立小山南高校教頭
[主要著書]
『東国守護の歴史的特質』(岩田書院、2001年)、『日本史へのいざない』(同、2006年)、『下野中世史の世界』(同、2010年)、『日本史へのいざない2』(同、2011年)
目 次
第一章 古 代
道 鏡 政権トップから失脚、下野薬師寺に流される
最 澄 下野の僧侶たちが天台宗の布教に協力
平 将門 反乱の際、下野国庁を襲う
源 義家 下野守と足利の地にこだわる
第二章 中 世
源 頼朝 奥州合戦や巻狩の際、下野に滞在
藤原定家 宇都宮氏と姻戚となり、小倉百人一首の起源と関わる
足利基氏 足利庄を管轄し、宇都宮氏を討伐
足利持氏 永享の乱後、二人の遺児は?
上杉謙信 佐野の地への強いこだわり
武田信玄・勝頼 下野の反北条方武将と連携
北条氏五代 下野への侵攻を重ね、足利学校にも関与
第三章 近 世
織田信長 長篠合戦後、下野武将に協力を依頼
豊臣秀吉 宇都宮に滞在し、関東・奥州諸将の領土を画定
石田三成 「仕置」準備のため秀吉に先がけて宇都宮入り
徳川家康 小山で三成攻めを決め、死後日光に葬られる
徳川家光 家康を敬い、東照宮を大造営
徳川光圀 那須で日本初の古墳の学術的調査を行う
徳川吉宗 日光での朝鮮人参栽培を指示
与謝蕪村 宇都宮で初めて「蕪村」を名乗る
第四章 近現代
井伊直弼 佐野の彦根藩領をくまなく巡見
土方歳三 新撰組解散後、旧幕府軍に属し宇都宮城を攻略
板垣退助 新政府軍を率い下野に進撃、今市で攻防戦を展開
大久保利通 明治九年に来県、産業の振興を指示
青木周蔵 那須野ヶ原にドイツ式農場を開く
星 亨 東京出身の大物政治家、栃木から立候補
原 敬 「平民宰相」誕生以前、古河鉱業の副社長に就任