随想舎 

勝道上人が生きた時代

「補陀洛山建立修行日記」をめぐって

佐藤 壽修

 幾多の困難に打ち勝ち日光山を開いた勝道上人。その生きた時代を考究するとともに、後年の偽作とも称される「補陀落山建立修行日記」を検証する。
「勝道上人は、最晩年に近い816(弘仁7)年4月、日光二荒山神社境内の裏手の男体山に発生した土石流に極めて間近に遭遇していたのである。しかし「補陀落山建立修行日記」については鎌倉時代の偽作であるとの説が定着しているようであるが、果たして軽視したままでよいのか。勝道上人が生きた時代をよく見てみようではないか」(本文より)

A5判/並製/232頁/定価1980円(本体1800円+税)
ISBN 978-4-88748-277-7
2013年6月24日 第1刷発行

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著者プロフィール

佐藤 壽修  さとう としのぶ

 1941年、栃木県上都賀郡今市町大字瀬川(現日光市瀬川)に生まれる。
 栃木県立今市高等学校卒業後、関東地方建設局、川治ダム・利根川上流・荒川上流・下館・甲府・日光砂防の各河川関係事務所等に勤務、主に河川管理を担当。
 退職後「関東開発の歴史年表」を編纂中。

 論文:「西沢金山にみる日本の動き・世界の動き」『歴史と文化4号』(栃木県歴史文化研究会)、「西沢金山のこと」『日本近代学事始』栃木県歴史文化研究会近代日光史セミナー。

目 次

第1章 はじめに

 第1節 補陀洛山建立修行日記

 1 歴史は繰り返す!(男体山観音薙に大土石流発生)
 2 明治三五年九月の男体山南面に生じた土石流について

第2章 東国に打ち寄せた畿内文化の大波(勝道上人の始祖の時代について)

第3章 東国の発展と日本武尊の東征

第4章 勝道上人の時代と足跡

 第1節 勝道上人の生涯とその時代背景

第5章 まとめ