随想舎 
わたしは石のかけら

もうひとつの田中正造物語

文   越川 栄子
絵   やまなかももこ
解説  横松 心平

小石は、すべてを見守り、しずかに眠っている。

 田中正造のごく少ない遺品の中で、もっとも衝撃的なのは、小石である。その小石が、田中正造という人物の生涯、精神の強さと美しさをとてもよく表しているのだ。

 鉱毒に苦しめられた農民漁民たちのような、虐げられた人たちは、残念なことに現代にもたくさんいる。彼らを救わなければならない。そう思うのだけれど、田中正造のようにはなかなか行動できない。それでも、田中正造は特別な人だから、とつぶやいておしまいにはしたくない。何かしなくてはならない。

 だから、この絵本は作られた。同じ思いを抱く、誰かに届くといいなと、切に思う。

[横松心平「解説」より]

B5横変形/上製/24頁/定価1100円(本体1000円+税)
ISBN 978-4-88748-353-8 C8721
2018年2月1日 第1刷発行

cart

絵本『わたしは石のかけら もうひとつの田中正造物語』(文 越川栄子 絵 やまなかももこ 解説 横松心平)が新聞各紙で紹介されました。